おあとがよろしいようで。

人生なんて食って、寝て、やって、終わり。 by Danshi Tatekawa

【イベントレポ】10design X 10mins〜ロンドン流!非デザイナーのためのクリエイティブトレーニング体験〜 by pancake projectに行ってきた!

ぼくは、落語、お笑い、音楽ライブが好きです。

どれも、クリエイティブなもの。

クリエイティビティをお客さんに浴びせて楽しませるものです。

 

ぼく自身にクリエイティビティがないから、そういうものへの憧れが強いのかもしれない、と思っていました。

 

クリエイティブコンフィデンス

そんななか、

 

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peatix.com

 

こんな面白そうなイベントを見つけました。

このイベントをみて、「世界一クリエイティブな会社」で有名なIDEOのケリー兄弟の著書「クリエイティブマインドセット」を思い出しました。

 

 

デイビット・ケリーいわく、

クリエイティブ系・非クリエイティブ系なんて分類は幻想でしかない。もともと人間はみんなクリエイティブだ。大事なのは、自分が周囲の世界を変えられるという確信、つまりクリエイティブコンフィデンスを持つことだ。

だそうです。

そんなことを考えていたらいてもたってもいられなくなったので、即決済して10design X 10minsなるイベントに参加してきました。

 

10design X 10 minsとは

10design X 10minsとは、様々なテーマに対してデザインして創作していくアクティビティです。

 

↑のイベントページより引用です。

10 design ×10 minsは、様々なテーマのデザインを短時間で創作していくデザインアクティビティです。

デザインは自分とはかけ離れた世界のものと思っていませんか?
クリエイティビティは一部の限られた世界の人のものと思っていませんか?

デザインは決して一部の才能ある人が創るものではなく、誰もが自分のアイデアをアウトプットすることができる手段、それがデザインなのです。

10 design ×10 minsでは、3時間で、10個のデザインタスクをリズミカルにこなしていきます。

例えば、

・100年後のビジネスパーソン向けのビジネススーツをデザインする

・ウサイン・ボルトが身につけるジュエリーをデザインする

・あなたの自叙伝のカバーをデザインする

・Timeという文字にメッセージを込めてタイポグラフィをデザインする

など。

何よりもこのアクティビティの面白いところは、感覚に基づいて創作するだけではなく、創作したものを参加者の前でプレゼンテーションすることで、なぜ自分はこのデザインをしたのかというところを深堀していき、デザインの本質的な意味を探っていくことを目的としています。

「デザイン」は、単にかっこいいもの、美しいものを創ることではありません。そして「デザインすること」に特別なスキルも必要ありません。表層的なデザインではなく、もう一歩深くデザインと向き合うことで、誰もがデザイナーになれ、オリジナルなデザインを生み出すことができるのです。

 

1つの問題に対して、5分〜7分という非常に短い時間でアイデアを作っていきます。

 

アクティビティの流れとしては、

  1. お題発表
  2.  5分〜7分で与えられたお題に対するアイデアを考えて、一枚の絵や言葉にする
  3. みんなの前で自分のアイデアを発表する
  4. 発表を聴いた人は、思いついたことや質問などを自由に話し合う
  5. 次のお題発表
  6. ...

というのを繰り返す感じです。

 

深く、示唆に富んだお題

今回取り組んだのは、以下の9つです。

  • 日本人の新しい朝食をデザインする
  • 自分の自伝を出版するとして、そのブックカバーをデザインする
  • インターネット上のお墓をデザインする
  • "TIME"という言葉の新しいタイポグラフィをデザインする
  • 物質主義にたいするメッセージを込めて、新しい1000円札をデザインする
  • ロボットのためのアクセサリーをデザインする
  • 宇宙人が地球への侵略を諦めるようなメッセージボードをデザインする
  • あと30分しか生きられない人へのプレゼントをデザインする
  • 銀座のホームレスの人にあげる靴をデザインする

どれも考えさせられるものばかりです。

これらの課題に対して、それぞれ5分でアイデアを作っていきました。

限られた時間のなかでアウトプットを出すのはなかなか大変でしたが、慣れてくるとだんだんと楽しくなってきます。

今回の参加者はマーケティング職、研究者、大学の教授、SE、プログラマー、デザイナー、学生などなど、みんなそれぞれ性別も年齢も仕事も多種多様といった感じでした。人が違ってとアイデアも違って、一つの課題に対して無限のアイデアがあるんだなと感じさせられました。

 

参加して感じた3つのこと

今回、特に強く実感したのは、以下のことでした。

 

自分のアイデアを伝えるのは怖いことじゃない

ぼくは字を書くのも絵を描くのもすごく下手です。美術の成績も悪かったです。なので、何か絵を描いて、といわれると「下手なんで」と言って断るのが常でした。これは、人の評価を気にしすぎているからだと思います。

今回も、最初のうちは自分の下手な絵をだすのは恥ずかしいなあと感じていました。

 

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「宇宙人に侵略されないためのメッセージボード」のテーマでぼくが実際に描いたアイデアです。「これまでに来た宇宙人がペットとして安値で売られてしまっている。それを知れば、宇宙人は帰っていくだろう。」というアイデアです。絵は本当にひどいですね笑。

 

しかし、一度人前にだしてしまうと、そんなに怯えることでもないなと思うことができ、最後には自分から進んでプレゼンするようになっていました。

心理学者のアルバート・バンデューラ氏はこのような効果を「指導付きの習得 (Guided Mastery)」と呼んでいます。ちょうど、初めて自転車に乗れるようになったときのような感じです。補助輪が知らないうちに外れていて、いつのまにか乗れるようになった、というあれです。

クリエイティブコンフィデンスも、少しずつ自分のアイデアを発表していくうちに知らないうちに身についていくものなのだと思います。

 

ビジュアライズすることで、伝わりやすく連想しやすくなる

今回は、自分のアイデアを文字でただ書くのではなく、絵や形にして表してみるというのが重要なポイントでした。そうすることで、見た人がそのアイデアをイメージしやすくなります。

さらに、理解を促進するだけでなく、そのビジュアルをもとにしてまた新しいアイデアを思いつきやすくなります。

普段の会議やブレストでも、簡単なイラストを書くことで新しいアイデアを連想しやすくなるかもしれません。

 

デザインは自分の人生を振り返るいい機会になる

IDEOのCEOティム・ブラウンは、

デザインとは、課題解決である 

 と言っています。

今回のアクティビティでも、まさに様々な課題解決のためのアイデアを考えたといえます。

これまでに考えたことのないような課題に対して思考を巡らせることで、

 「意識していなかったけど自分はこんなことを感じていたんだ」

 「このテーマについて考えるのは結構好きかも」

といったように、メタ的に自分の思考過程をも意識することができます。

デザインとは、課題に対して自分というフィルターを通して考えて、解決策を生み出すプロセスです。

様々デザインに取り組むことで、これまでに自覚していなかった自分の一面に出会えるかもしれません。

 

さて、pancake projectさんはまた次回のイベントも企画しているようです。

peatix.com

今回すごく楽しかったので、次回も参加しようかなと思っています。

今回は会議室のなかだけで行いましたが、次回は外にでてフィールドワークをするそうです。

 

クリエイティブコンフィデンスは自分が周りの世界を変えられるという自信をもつこと。好きな女の子の気持ちを動かすのも同じです。

ということで、最近気になるあの人をデートに誘ってみようと思います。

まずはLINEから。"Guided Mastery"です。

 

おあとがよろしいようで。