キャリアに悩んだら、立川談志の声を聞け
落語家の名跡、立川談志(たてかわだんし)。
落語家で戦後唯一「天才」と呼ばれた男、といわれているそうです。
日テレ系の笑点の初代司会を務め、落語だけでなくテレビやラジオ、映画とマルチに活躍しました。71年には参院選に無所属で立候補して当選、自民党に入党し、沖縄開発庁政務次官を務めるなど、政界にも進出しました。
発言は常に辛口
歯に絹着せぬ物言いで発言は常に賛否両論。
プライベートでも過激な発言が多かったといわれていて、弟子や同僚によって様々な逸話が言い伝えられています。
たとえば、
やはり電車の中。若い母親が騒ぐ幼児をほったらかして、友達とおしゃべりに夢中になっていた。
乗客の大半がこの子供に辟易していた。
談志は最初のうちは子供に向かって「静かにしなさい」と注意していた。しかし子供は騒ぐのをやめない。
談志の言葉は母親の耳にも届いているはずである。談志はその母親に向かって怒鳴った。
「そのガキ、絞め殺せ!」
その母親もずいぶんと驚いたことだろう。慌てて我が子を抱きしめていた。出典:立川志らく
もし今のようにSNSが普及していたら、間違いなく炎上事件でしょう。(笑)
大学生と話していて感じるキャリアに関する問題
(かく言う僕も大学生ですが)キャリア形成について大学生と話すとき、 たいてい悩んでいることは似通っているように感じます。
それは、
- やりたいことが見つからない問題
- 自分に自信がもてない問題
の2つが特に多いです。
僕自身も、
「自分のやりたいことってなんだろう?」
「自分が負けないところってどこだろう?」
ともやもや思考を巡らせています。現在進行形で。。。
悩んだときには、「先人に聞く」というのが常套手段でしょう。
ということで、天才立川談志師匠の言葉を聞いてみたいと思います。
まず1つ目、
「執着」「執念」というのが、「好きの虫」のすんでるところです。
出典
「好きの虫」は、どこにいるんだろう?などとぼーっと探していても見つかりません。自分の目の前のことに「執着」し、「執念」を燃やして取り組んで初めて見つかるものです。
そもそも「執着」や「執念」のない人には「好きの虫」は飛んでこないでしょう。
目の前のことを愚直にやり抜くこと、その先に自分の「好き」が見えてくるということを、談志師匠は教えてくれています。
2つ目。
己に自信の無い奴が常識に従う。不安を持つから動き出す。人生なんて、食って、寝て、やって、おわり。
出典
個人的に談志語録の中で好きな言葉です。
就職活動をしていると、「試される質問」をされ続けます。
「あなたの強みは?」
「これまでで一番がんばったことは?」
「そこから学んだことは?」
「一番の挫折をどうやって乗り越えた?」
などなど。
さらに、同調圧力がそれに追い討ちをかけます。
「あそこの企業受かるってすごいらしいよ」
「みんなやってるから就活しなきゃ」
などなど。
もし、全ての質問に対して100%の自信をもって答え、あらゆる面接で合格し続けるスーパーマンだったら何の心配もないのかもしれません。
ですが、実際はそうはいかない。
これは、自己効力感の問題です。
自己効力感とは、
自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できるかという可能性の認知。
という、心理学で用いられる言葉です。
主に、成功体験や対人関係、学習行動などによって生み出されると言われています。
「試される質問」、つまり、自己効力感を問うような質問ばかりされていると、
「うまくやらなきゃ」
「できないなんて言えない」
などとどんどん自分を追い込んでしまい、疲れてしまいます。
自己効力感と対をなす感覚として、自己肯定感があります。
自己肯定感とは、
自分自身の存在を長所だけでなく、短所も含めて肯定する感覚のこと
です。
「あなたはあなたでいてくれるだけでいいんだよ」という感じでしょうか。
近年、仕事や人間関係など人生の様々な場面で自己肯定感の有無や肯定が影響を及ぼすということがわかってきています。
自己効力感と自己肯定感のバランスがすごく大事です。
談志師匠の言葉は、
人生なんてそもそもその程度のものなんだ。だから、無駄に自分の人生への期待値を上げ過ぎるのはやめよう。自己肯定感を高めていこう。
ということに気づかせてくれます。
さて、今日も談志師匠の落語を聞いてねることにしましょーう。
ちなみに、この記事、立川(たちかわ)のルノワールで書きました。
立川の隣の国立は「こくりつ」ではなくて「くにたち」です。
おあとがよろしいようで。