石川明×常見陽平「カリスマ新規事業インキュベータが語るサラリーマンの新しい生き方 “社内起業”のススメ」に行ってきた!
下北沢B&Bでのトークイベントに行ってきました。
登壇者は、元リクルートで現在は独立して新規事業インキュベータを行っている石川明さんと、同じく元リクルートで大学教員をする傍ら、フリーランスでライターをやっている常見陽平さんのお二人。
テーマは「社内企業」です。
いわゆる「大企業病」の処方箋として、近年注目されている分野です。
最近だと、
こんな記事が話題になっていました。
両方ともリクルートの社内起業の魅力について語られています。
リクルートの社内起業提案制度「New-RING」
今回の登壇者である石川さんが長らく事務局をなさっていたのが、リクルートの社内インキュベーション制度「New-RING」です。
ここから、「ゼクシィ」「ホットペッパー」「R25」「受験サプリ」など、現在のリクルートを代表するような様々な新規事業がうまれています。
昨年には
「ITイノベーション」に特化したかたちで大幅リニューアルしたそうです。
実は、常見さんもリクルート時代に盟友中川淳一郎氏と「New-RING」に出場した経験があったそうです。「New-RING」はリクルート社員が一人でもいれば外部からでも参加可能なので、当時博報堂社員の中川さんとのコンビが実現した、ということでした。
そんな石川さんと常見さんのトークイベントでは、社内起業のリアルな現状と課題、さらにはサラリーマン起業家として生きる心意気がふんだんに語られました。
新規事業社内公募制が失敗する3つのパターン
最近だといわゆる大企業ではほとんどで取り入れられているという社内起業制度。
しかし、「新しいものを生み出したい」という気持ちだけが先走って、現場社員や制度が追いついていない現状もあるようです。
石川さんいわく、社内の新規事業募集制度で失敗するのには大きく三つのパターンがあるそうです。
それは、
- そもそも案があつまらない
- 案はでたけどレベルが低い
- 組織が事業化できない
です。
それぞれの問題に対して、経営者や事務局はどのように対処すればいいのでしょうか。
そもそも案があつまらない問題
案があつまらないところの募集要綱には
「みなさんの自由な発想をおまちしております。」
などと書いてあることが多いらしいです。自由に、といわれると逆に難しくなってしまうのでしょう。
これを克服するためには、「OB」と「フェアウェイ」をはっきりさせることです。
ピンがどこに立っているかがわからなければ、打つ方向の検討もつきません。
レベルが低い問題
これは、しょうがない笑
としか言われていなかったので、個人的な意見を。
リーンスタートアップやデザイン思考のワークショップを地道にやっていく、というのがいいのではないでしょうか。
某Y社や某R社には「エバンジェリスト」などといって、社内で自発的に発信していく人がいるそうです。
組織が事業化できない問題
外部から人を集めるしかない!以上!
たしかにそうです。笑
このように、社内起業制度にもいろいろな課題があることはわかりましたが、われわれは個人としてどのように制度を使っていけばいいのか。イベントの後半戦では、「サラリーマン起業家」としての人生について、熱く議論されました。
サラリーマンよ、会社を使え!
「せっかく働いているんだから、楽しいことしようよ」と常見さん。当然のことのようにも思えますが、これが実は本当に大事です。
有名な「キャリアデザインの3つの輪」では、
やらなければならないこと(must)、できること(can)、やりたいこと(will)の3つが重なるところの仕事ができれば幸せ、といわれています。
社内起業を考えるときには、個人としての3つの輪の外に会社としての3つの輪がある、と石川さんは言います。
この、6つの輪が重なるような働き方が「サラリーマン起業家」として目指すべき姿だといえます。
年度始めの社長挨拶をよく聞け!
個人の「Must, Can, Will」と会社の「Must, Can, Will」が合致するには、どうすればよいのでしょうか。
石川さんは、「会社の流れを読む」ことだといいます。
いくら自分のやりたいことを熱く語っても、それが会社の目指す方向と合致していなければ意味がありません。
なので、会社全体の動きを常に追っておく必要があります。
つまらない社長挨拶にも、ヒントが隠されているかもしれません。
所感
『スタートアップ!』でリードホフマンも述べていますが、起業家でなくても起業家のように生きるのは仕事に限らず大事なんだとあらためて感じました。
たとえば、起業家にとって、コネクション作りは当たり前のこと。
そう考えれば、面倒な上司との飲み会にもいく気になってきます。
ここまで、「サラリーマン起業家」について書いてきましたが、
そういえばぼくはまだサラリーマンでも起業家でもありませんでした。
ちゃんちゃん。
おあとがよろしいようで。